2009年7月16日,東京六本木でデザイナー,開発者向けイベント「ReMIX Tokyo 2009」が開催されました。同イベントで,ヤフーを初めとする国内企業でのSilverlightの採用事例のデモやSilverlight 3の日本語環境リリースのアナウンスがされました。
Silverlightはマイクロソフトが開発したクロスプラットフォーム/クロスブラウザ対応のプラグイン。Silverlightを利用することで,動画やアニメーションの再生などといったリッチな表現が可能になります。
2007年9月にリリースされた1.0では,開発言語としてJavaScriptにのみ対応していましたが,2008年10月リリースの2.0で共通言語ランタイム (CLR) や動的言語ランタイム (DLR) に対応し,Visual BasicやC#,またはIronRuby,IronPythonのような動的言語によるアプリケーションの開発が可能となりました。
本稿では,2009年7月10日に正式版がリリースされた最新バージョン,Silverlight 3について,どのような新機能が追加されたのか,また,Silverlightアプリケーションの開発に欠かせないデザイナー向けの最新ツールExpression Blend3について取り上げます。
現時点でのSilverlightの普及率は,マイクロソフトによると,WindowsとMac OS Xを合わせるとインターネットに接続できる端末の3分の1としています。マイクロソフトはこれを100%に近付けることを目指しており,ヤフー以外に楽天などの大手サイトでの導入や,今後パートナー企業および開発者,デザイナー,Silverlightサイトの増加に伴い,業務アプリケーションにおいても必須の技術になっていくと考えられます。
Silverlight 3の開発環境
Silverlight 3アプリケーションを開発するにはVisual Studio 2008 のアドオンであるツールキットを適用させる方法があります(以下サイトからダウンロード可能)。これには開発者ランタイム,ソフトウエア開発キット(SDK),Toolsが含まれており,Visual Studio 2008 SP1 または Visual Web Developer 2008 Express SP1 のいずれかにインストールできます。
・Visual Studio 2008 SP1 用 Microsoft Silverlight 3 Tools
SDKのみのダウンロードも可能です。SDKにはライセンス条約,変更点に関するドキュメント,Silverlightライブラリ,Silverlight 3アプリケーションを開発するためのツールが含まれています。
日本語のドキュメントは以下サイトからダウンロードできます。
・Microsoft Silverlight 3 オフライン ドキュメント
SilverlightアプリケーションなどWeb サイトのインタフェース・デザインにはExpression Blendを使用します。Expression Blendはデザイナーとソフトウエア開発者が協業するための開発環境であるExpression Studio(表1)の一製品です。
製品名 | 主な用途 |
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Expression Web | Web サイトのグラフィック作成 |
Expression Blend | Visual Studioと連携可能な画面設計が可能 |
Expression Design | グラフィック デザイン作成・編集 |
Expression Encoder | 動画の編集やエンコード |