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Windows Azureで作成するアプリケーションの基礎

Windows Azure Storageを利用したアプリケーションの作成(準備編)

Windows Azureで作成するアプリケーションの基礎(3)

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 シリーズ第1回、第2回では、Windows Azureの基礎知識や、実際にアプリケーションを作成して、Windows Azureのクラウド環境に配置する方法を理解しました。今回は、次回と2回に分ける形で、Windows Azureにおけるストレージ環境である、Windows Azure Storageについて扱います。

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はじめに

 シリーズ第1回第2回では、Windows Azureの基礎知識や、実際にアプリケーションを作成して、Windows Azureのクラウド環境に配置する方法を理解しました。

 今回は、次回と2回に分ける形で、Windows Azureにおけるストレージ環境である、Windows Azure Storageについて扱います。

 前編となる今回は、Windows Azure Storageの概要について説明します。そして、REST APIを使用してWindows Azure Storageにアクセスするサンプルアプリケーションを作成してみます。今回はサンプルのローカル環境での実行とクラウド上への配置までで、次回の後編で、REST APIの使用法を含めた具体的なコード説明を行います。

対象読者

  • Windows Azureに初めて触れる方
  • Visual Studio 2008利用者
  • Windows Azure Storageに初めて触れる方
  • Windows Azure StorageへRESTでアクセスしたい方

必要な環境

 シリーズ第1回、第2回を参考にして、Windows Azureの開発環境のインストール、そしてクラウド環境に配置するために必要なAzure Services Developer Portalのアカウント作成とトークン取得を行ってください。

Windows Azure Storageの概要

 Windows Azure Storageは、Windows Azureに含まれるストレージサービスです。クラウド上のファイルシステムと考えると分かりやすいでしょう。しかし、文字通りのファイルシステムとは違い、物理的なファイルシステムやサーバー構成を意識する必要はありません。AzureではHTTP経由のREST(REpresentational State Transfer)インターフェイスを使用してストレージにアクセスします。

 このRESTによるインターネット越しのアクセスにより、Windows Azure Storage側では、実際のサーバー構成やデータ配置を隠蔽することができ、可用性や拡張性に富んだ設計となっています。

 また、RESTの使用により、開発者は必ずしも.NET Frameworkの開発環境を用いる必要はなくなり、他の言語や環境からでもWindows Azure Storageへアクセスすることができます。

Windows Azure Storageの概念図
Windows Azure Storageの概念図

 Windows Azure Storageは、SQL Serverのようにリレーショナルデータを扱うのではなく、非リレーショナルなブロブ、テーブル、キューという3種類のストレージをサポートしています。他のクラウドサービスにおける(同じく非リレーショナルなデータを扱う)Google App EngineのBigTableやAmazon S3に相当するものと考えると理解しやすいでしょう。

 それでは、Windows Azureではリレーショナルデータは扱えないのかと言うと、そういう事ではありません。マイクロソフトはAzure Services Platformに含まれるサービスの一つとして、Microsoft SQL Azure(執筆時点の2009年7月に、今までのSQL Servicesから名称が変更)を発表しています。Microsoft SQL Azureは、Windows Azureにデータベース機能を提供します。これにより、クラウド上においてリレーショナルデータを扱うことができます。なお、このMicrosoft SQL Azureとその中でもデータベース本体の機能を提供するMicrosoft SQL Azure Database(SQL Data Servicesから名称変更)については、以降の記事で詳しく取り上げます。

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト 土井 毅(ドイ ツヨシ)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/4292 2009/09/11 14:00

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