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そこが知りたい! Web標準サイトの活かし方

「携帯ゲーム機用Webページ」の作り方

そこが知りたい!Web標準サイトの活かし方(7)

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 本連載では、Web標準のメリットを最大限に活かすことをテーマに、仕様書には書かれていない部分を中心に取り上げ、実際のWeb制作現場で起こり得る問題について、解決の糸口を紹介しています。連載第7回目となる今回は、ニンテンドーDSやプレイステーション・ポータブルなどの携帯ゲーム機向けページの作り方を紹介したいと思います。

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はじめに

 本連載では、Web標準のメリットを最大限に活かすことをテーマに、仕様書には書かれていない部分を中心に取り上げ、実際のWeb制作現場で起こり得る問題について、解決の糸口を紹介しています。

 多様なデバイス向けのページ制作として、前回は携帯用ページの作り方を紹介しました。連載第7回目となる今回は、ニンテンドーDSやプレイステーション・ポータブルなどの携帯ゲーム機向けページの作り方を紹介したいと思います。

対象読者

  • XHTMLとCSSの基本を理解していている方。
  • Web標準サイトの実践的な作り方に興味のある方。
  • 普段はPC向けサイトを作っていて、これから携帯ゲーム機用のページを作りたいと思っている方。

必要な環境

 表示確認のため、携帯ゲームの実機と専用ブラウザがあると望ましいです。以下に、それぞれに対応するブラウザを紹介します。

ニンテンドーDS/DS Liteの場合

 ニンテンドーDS/ニンテンドーDS Lite用の場合、Webブラウザが標準搭載されていないため、Webを閲覧するには専用のソフトウェア「ニンテンドーDSブラウザー」を購入する必要があります。

 ニンテンドーDSブラウザーと、このソフトウェアに同梱されているDSメモリ拡張カートリッジの両方を装着することでブラウザ機能を利用できます。なお、通信手段はDS本体内蔵の無線LANのみの対応となっているため、インターネットに接続するには無線LAN環境が必要です。

ニンテンドーDSi/DSi LLの場合

 ニンテンドーDSi/DSi LLの場合、「ニンテンドーDSiブラウザ」を利用します。「ニンテンドーDSiブラウザ」は、2008年11月1日のニンテンドーDSi発売と同時に配信開始されたDSiウェアで、ニンテンドーDSiショップから無料でダウンロード可能です。2009年秋以降に出荷されているニンテンドーDSi、および2009年11月21日発売のニンテンドーDSi LLであれば、最初から内蔵されているためダウンロードは不要です。なお、DS/DS Lite同様、インターネット接続環境は、無線LANのみの対応となっています。

プレイステーション・ポータブルの場合

 プレイステーション・ポータブルは、システムソフトウェアバージョン2.00からWebページの閲覧が可能になっているため、システムソフトウェアをアップデートしていれば、別途ブラウザを用意する必要はありません。

ニンテンドーDSシリーズ用ブラウザの特徴

 DSシリーズ向けのページ制作をするにあたり、まずは、DSブラウザ/DSiブラウザの基本的な仕様や、小さな2つの液晶画面を活かした表示方法など、DSならではの特徴を押さえておきましょう。

ニンテンドーDSブラウザー/ニンテンドーDSiブラウザーの仕様

 ニンテンドーDSシリーズ(ニンテンドーDS、DS Lite、DSi、DSi LL)のWebブラウザは、任天堂とOpera Softwareが共同開発しています。ニンテンドーDSとDS Liteは「ニンテンドーDSブラウザー(以下、DSブラウザ)」、ニンテンドーDSiとDSi LLは「ニンテンドーDSiブラウザー(以下、DSiブラウザ)」が対応しています。ブラウザエンジンのバージョンは、DSブラウザがOpera 8.5、DSiブラウザはOpera 9.5となっています。

 DSブラウザとDSiブラウザの基本的な機能は同じですが、本体の機能強化によって、DSiブラウザの方が、通信速度や描画速度が向上しています。

 どちらも一般的なHTML、XHTML、XML、ECMAScript、CSSに対応しており、DSシリーズ向けのページを作るのに特別な言語を必要としません。JPEG、PNG、GIF画像の表示やSSLにも対応しています。Cookieにも対応していますが、DSブラウザの場合は電源を切るとCookieが失われます(DSiブラウザでは電源を切ってもCookieは保存されます)。なお、Flash、動画や音声、PDF、その他プラグインを必要とするものには、どちらも対応していません。

ニンテンドーDSブラウザとニンテンドーDSiブラウザの主な仕様
ブラウザの種類 ニンテンドーDSブラウザ ニンテンドーDSiブラウザ
対応する本体 DS、DS Lite DSi、DSi LL
ブラウザエンジン Opera 8.5 Opera 9.5
日本語入力システム ATOK
プロトコル http、https(SSL 2.0/3.0、TLS 1.0)
対応しているWeb標準 HTML、XHTML、XML、ECMAScript、CSS HTML、XHTML、XML、XSLT、XMLHTTPRequest、CSS、ECMAScript、DOM、Canvas
利用不可のコンテンツ Flash、動画、音声、PDF、その他プラグインを必要とするもの
Cookie 電源を切るとクリアされる 電源を切っても保存される

2つの画面モード

 DSブラウザ/DSiブラウザには、2つの小さな液晶画面を上手に利用した2種類の画面モードがあります。

 1つ目は、PCでWebページを見るときとほぼ同じように表示するモードです。上下画面に縮小ページ(全体を縮小表示したページ)と拡大ページ(通常の大きさのページ)を別々に表示します。上下の縮小/拡大ページは、いつでも切り替えて表示できます。DSブラウザでは、この画面モードを「2画面モード」と言い、DSiブラウザでは「通常表示」と言います。

 2つ目の画面モードは、DSの画面サイズに合わせてレイアウトを自動的に変形して表示するモードです。上下の画面を使ってページを一続きに表示するモードで、DSブラウザでは「縦長モード」、DSiブラウザでは「タテ長モード」と表現されています。

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト 宮本麻矢(ミヤモト マヤ)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/5223 2010/06/29 14:00

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