データベースとは、その名の通り、なにかしらの情報(データ)を蓄積した集合体です。ただし、ただ無作為に蓄積すれば良いというものではありません。あとから検索/分析することを目的に、ある一定のルールに基づいて蓄積した情報のことをデータベース(DB:DataBase)と言います。また、データベースを管理するための専用ソフトウェアのことをデータベース管理システム(DBMS:DataBase Management System)」と言います(ただし、本記事では特別に限定することなく「データベース」といった場合、「データベース管理システム」を含むものとします)。

データベースは身近な「床下の力持ち」

 もっとも、データベースというと、「なんか難しそうなんだよね」「そもそも自分の生活とは無関係なんじゃない?」などと考えている人も多いようです。あるいは、新しい環境で本記事を読みながら「未知の世界へ乗り出すんだ」と意気込んでいる方も少なくないかもしれません。しかし、最初に強調しておきたいのは、データベースとはなにも「特別なものではない」ということです。私たちの周りには多くのデータベースが存在しており、多くの方が日常的にデータベースを利用しているはずです。

 たとえば、インターネット上でなにか探し物をしたいという場合に、今やGoogleやYahoo!のような検索エンジンは欠かせないものです。SQLに関する書籍を検索したいならば、検索キーワードに「SQL書籍」などと入力して[検索]ボタンをクリックします。すると、キーワードに合致したWeb ページの一覧が即座に表示されるはずです。

 また、近頃ではAmazon楽天のような、いわゆる電子コマース(EC)サイトでさまざまな商品を購入することも珍しいことではなくなりました。このようなサイトで、私たちはまず欲しい商品を検索し、気に入った商品があればこれを買い物カゴに登録します。買い物を楽しんだ後は、送付先情報やクレジットカードの番号などを入力し、注文を確定します。注文した品物が届くまでは、発送予定日などを検索したり、注文の変更/取消などを行うかもしれませんし、過去の購入履歴を検索するかもしれません。

 はたまた、皆さんは旅行に行くときに飛行機や新幹線の席を窓口で購入するでしょう。このような場合に、駅員さんはコンピュータを確認して、即座に空席情報を確認(検索)してくれるはずです。満席であれば、異なる条件で空席を探してもらうこともできますし、空席が残っていれば予約し、切符の発券をしてくれることでしょう。

 これら情報のすべては、データベース上で蓄積/管理され、データベースの機能を利用することで即座に取り出すことができるわけです。データベースがプログラマなどコンピュータの世界に関わる人のためだけのものではなく、日常生活の中でなくてはならないものであることがお分かりになるのではないでしょうか。