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はじめてのサーバサイドJava
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第11回:デプロイメントディスクリプタ活用術(前編)

著者:山田 祥寛   2006/5/22
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はじめに

   本連載では、JSP&サーブレットの設定ファイルであるweb.xml(デプロイメントディスクリプタ)の活用法をTIPS形式で紹介します。

デプロイメントディスクリプタとは?

   デプロイメントディスクリプタ(Deployment Descriptor)は、JSP&サーブレットにおける標準の設定ファイルで、Webアプリケーションの配置(Deploy)情報をXMLで定義しています(リスト1)。

リスト1:web.xmlの骨格(抜粋)
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" ?>
<web-app xmlns="http://java.sun.com/xml/ns/j2ee"
     xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"
     xsi:schemaLocation="http://java.sun.com/xml/ns/j2ee/web-app_2_4.xsd"
     version="2.4">
     ...任意の設定要素...
</web-app>

   コンテナによって、デプロイメントディスクリプタのファイル名が異なる場合がありますが、Tomcatではweb.xmlという名前で、アプリケーションルート配下のWEB-INFフォルダに配置します。

   これまで連載の中も、サーブレットやタグライブラリ登録をするためにweb.xmlを使用しましたが(注1)、web.xmlの役割はそれだけではありません。web.xml内で利用可能な主要な設定要素を表1に示します。

※注1: サーブレット、タグライブラリ登録については、書籍のみの掲載となります。

要素名 概要
<context-param> 初期化パラメータの宣言
<description> メモ情報の記述
<display-name> Tomcat ManagerなどGUI表示用のアプリケーション名を定義
<distributable> アプリケーション配置の型を定義
<error-page> エラーページを定義
<filter> フィルタクラスの定義
<filter-mapping> フィルタの適用範囲を定義
<jsp-config> JSPページに関する共通情報の定義
<listener> イベントリスナの定義
<locale-encoding-mapping-list> ロケールと文字エンコーディングの関連づけ
<login-config> ログイン手段の定義
<mime-mapping> MIMEタイプの定義
<resource-ref> 外部リソースへの参照名を定義
<security-constraint> アクセス制限の適用範囲を定義
<security-role> 使用するロール名を定義
<servlet> サーブレットクラスを定義
<servlet-mapping> サーブレットと呼び出しURIパターンを関連づけ
<session-config> セッション情報の定義
<welcome-file-list> ウェルカムページの定義

表1:デプロイメントディスクリプタで利用可能な主な要素

   今回は、その中でも特に有用な項目をTIPS形式で紹介します(注2)。

※注2: デプロイメントディスクリプタの厳密な構造を知りたい方は、下記のURLからXML Schemaで書かれたスキーマ文書を参照することをお勧めします。
http://java.sun.com/xml/ns/j2ee/web-app_2_4.xsd

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WINGSプロジェクト  山田 祥寛
著者プロフィール
有限会社WINGSプロジェクト   山田 祥寛
Microsoft MVP for ASP/ASP.NET。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト(http://www.wings.msn.to/)」の代表。主な著書に「10日でおぼえる入門教室シリーズ(Jakarta・JSP/サーブレット・PHP・XML)」(以上、翔泳社)、「書き込み式 SQLのドリル」(ソシム)など。最近ではIT関連技術の取材、講演まで広くを手がける毎日。

INDEX
第11回:デプロイメントディスクリプタ活用術(前編)
はじめに
  共通情報を初期化パラメータで外部化する