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AngularJSアプリ開発を支援する便利モジュール

AngularJSアプリで日付/時刻を入力するライブラリ - UI Bootstrap(Datepicker/Timepicker)

AngularJSアプリ開発を支援する便利モジュール(13)

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 AngularJSは、テンプレートエンジン、データバインディング、ルーティング、DIコンテナーなどなど、Webアプリのフロントエンドを開発するために必要な機能をあまねく揃えたフルスタックのフレームワークです。もっとも、本格的な開発ではそれだけで賄えるわけではなく、要件に応じて、周辺のモジュールと連携するのが一般的です。本連載では、AngularJSで利用できる拡張ライブラリを、具体的な利用例とともに紹介します。

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 なお、本連載ではAngularJSそのものに関しては解説しませんので、専門書として『AngularJSアプリケーションプログラミング』、姉妹連載「AngularJSではじめるJavaScriptフレームワーク開発スタイル」などを合わせて参照してください。

はじめに

 今回扱うのは日付/時刻ピッカーなど、日付/時刻入力に関わるUIを実装するための、以下のライブラリです。

  • UI Bootstrap(Datepicker):日付入力ボックスを実装
  • UI Bootstrap(Timepicker):時刻入力ボックスを実装

対象読者

  • AngularJSについて基本的な概念を理解している方
  • AngularJSで利用できる拡張モジュールに興味がある方
  • AngularJSアプリで日付/時刻入力を手軽にさせたい方

検証環境

 この記事では、以下の環境でサンプルの動作を確認しています。

  • AngularJS 1.5.1
  • UI Bootstrap 1.2.4
  • Chrome 49
  • Firefox 45
  • Internet Explorer 11

 UI Bootstrapは、Bowerを利用することで、以下のコマンドでインストールできます。

> bower install angular-bootstrap bootstrap angular-i18n

 angular-i18nは国際化のためのファイルで、あとからカレンダーや午前/午後を表示する際に利用します。

日付入力ボックスを生成する - UI Bootstrap(Datepicker)

 日付を入力させるためにポップアップカレンダーから選択させたいというのはよくあること。HTML5でも<input type="date">要素が用意されていますが、ブラウザーによって実装が異なる、そもそもHTML5未対応のブラウザーを利用しているユーザーもまだまだ無視できない、などの理由から、実際にはJavaScriptライブラリに頼る局面は決して少なくありません。

 そして、AngularJSアプリで日付入力ボックスを実装するならば、まずはUI BootstrapのDatepickerディレクティブがお勧めです。

月別カレンダーから選択した日付をテキストボックスに反映
月別カレンダーから選択した日付をテキストボックスに反映

 では、具体的なサンプルをみていきましょう。

リスト1 date.html
<!DOCTYPE html>
<html ng-app="myApp">
<head>
<meta charset="UTF-8" />
<title>AngularJS</title>
<!-- (1)UI BootstrapとBootstrap本体をインポート -->
<link rel="stylesheet" href="bower_components/bootstrap/dist/css/bootstrap.min.css" />
<script src="bower_components/angular/angular.min.js"></script>
<script src="bower_components/angular-i18n/angular-locale_ja-jp.js"></script>
<script src="bower_components/angular-bootstrap/ui-bootstrap-tpls.min.js"></script>
<script src="scripts/date.js"></script>
</head>
<body ng-controller="MyController">
<form>
  <label for="date">日付:</label><br />
  <!--(3)日付ピッカーを準備 -->
  <input id="date" type="text" ng-model="current"
    ng-focus="onopen($event)"
    uib-datepicker-popup="yyyy-MM-dd" is-open="opened"
    current-text="今日" clear-text="クリア" close-text="閉じる" />
</form>
</body>
</html>
リスト2 date.js
// (2)ui.bootstrapモジュールへの依存関係を設定
angular.module('myApp', [ 'ui.bootstrap' ])
  .controller('MyController', ['$scope', function($scope) {
    $scope.current = new Date();
    // (5)変数currentの値を監視
    $scope.$watch('current', function(new_value, old_value){
      if (!angular.isDate(new_value)){
        $scope.current = new Date();
      }
    });

    $scope.onopen = function($event) {
      // (4)カレンダーを開く
      $scope.opened = true;
    };
  }]);

 UI Bootstrapを利用するには、UI Bootstrap(ui-bootstrap-tpls.min.js)とともに、Bootstrap本体(bootstrap.min.css)もインポートしておきます(1)。また、日本語化ファイル(angular-locale_ja-jp.js)をインポートしておきます。日本語化ファイルがないと、カレンダーの表記が英語表記のままとなってしまうので要注意です。

 あとは、アプリモジュール(myApp)からはui.bootstrapモジュールへの依存関係を宣言することで、UI Bootstrapを有効化できます(2)。

 ポップアップカレンダーをテキストボックスに紐づけるには、<input>要素に対してuib-datepicker-popupディレクティブ(属性)を付与するだけです(3)。uib-datepicker-popupディレクティブの挙動をカスタマイズするために、以下のような属性も利用できます。

uib-datepicker-popupディレクティブの主な属性
属性 概要 デフォルト値
uib-datepicker-popup テキストボックスに表示する日付フォーマット yyyy-MM-dd
datepicker-options 日付ピッカーの動作オプション(詳細は以下)
is-open デフォルトでカレンダーを開いた状態にするか false
close-on-date-selection 日付選択時にカレンダーを閉じるか true
show-button-bar カレンダー下部にボタンバーを表示するか true
current-text [Today]ボタンのキャプション Today
clear-text [Clear]ボタンのキャプション Clear
close-text [Close]ボタンのキャプション Done

 ボタンバーを表示する場合には、最低限、xxxxx-text属性でボタンキャプションを日本語化しておくべきです。

 ポップアップ用のカレンダーを準備できたら、あとは、テキストボックスに対してng-focus属性を付与し、フォーカスが移動したタイミングでカレンダーがポップアップするようにします。カレンダーを開くには、is-open属性にtrueをセットするだけです(4)。

 なお、(5)で変数currentの値を監視しているのは、日付が空になった場合に備えてです。その場合、エラーとなってしまうので、強制的に今日の日付をセットします。

 ポップアップしたカレンダーは、それぞれタイトル部分(年月のバー)をクリックすることで月選択画面に移動し、更に、そのタイトル部分(年のバー)をクリックすることで、年選択画面に移動します。

(左)月選択画面/(右)年選択画面
(左)月選択画面/(右)年選択画面

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この記事の著者

WINGSプロジェクト(ウイングスプロジェクト)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/9371 2016/04/25 14:00

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